先の見える人は可哀想

この先の人生何するどうするも全部わかってるそんな人は不幸としか言いようがない。だって答えが全部わかってるシナリオなんて読んでもちっとも面白くないでしょ。そりゃまあ最初は「あれもこれもどれも全部知ってる俺すげえ!」みたいな事を思ってテンションあがったりするかもしれないけど絶対途中で嫌になるじゃん。「あーまた自滅かいい加減に気付けよー人間ー」みたいなうっとおしさすら感じるやもしれない。そして自分の一挙手一投足で次に何が起こるかわかるという事はドキドキも何もないままただ自分という役柄を客観的に演じているだけの大根役者に成り下がってしまうという事じゃないか。徹夜で悩んだ末に導き出したあの運命の選択の結果だって、あの恋の結末だって、人生のエピローグだって見えちゃってるんでしょ。そんなの何も楽しく無いじゃないか。仕舞いには達観して神になったつもりで曇りガラスのような目をしてヒルズの最上階の窓から退屈な世界を見ているフリをしながら焦点を合わせないように何も見ないようにまだまだ随分先の方に見える終焉までひっそりと生きていくんだね。そんなの僕は嫌だから。今この瞬間だけを見て生きていくのさ。というのは全くの言い訳でホントは錆付いた爪が目に染みて涙で明日すら見えないのだよベイビー。