体温は不思議

台風一過でじっとり濡れた真夏の熱帯夜だって
離れ離れじゃいられない
その熱い肌に触れ
その華奢な肩を抱き
その体温全てを独り占めにしたい
出来れば皮膚以外何も隔てずに
吐息の熱すらすぐ傍で感じていたい
生きた温もりを知った夜から
人は一人じゃ生きられなくなった
常体温35,8度の身体が今夜も誰かさんの体温を欲しがっている
という妄言。