自分をどこまでも受け入れてくれる人とはきっと長続きしないと思うの

主義も趣味も全然違うんだけどどこかしらに惹き合う何かがあってでもやっぱり水と油だから事ある毎に衝突して生傷だらけの二人の方が本人達としては楽しいんじゃないかな。何でも易々と受け入れてしまったり、受け入れられてしまう関係はきっとそのうちどちらかの愛想が尽きてしまうから、僕は強くて弱くて甘えん坊で包み込む貴女らしい貴女が好きだし、貴女にも身勝手で傲慢で手間がかかるし呆れさせられる僕らしい僕を好きでいて欲しい。と誰に言う訳でもなく頭の中で顔も知らない未来のステディ・ガールに語り掛けてみるけれど言葉は返り来ず、今夜も座椅子の上で膝を抱えて寂しさに身を震わせています。そんな訳で話は戻りますが、自分を完全に受け入れてくれる人、そもそもそんな人がこの世にいるとしたら鏡の中の自分だけじゃないでしょうか。「私だけは貴方の理解者だから」なんて云う人程に演技です。本当にそうならもはや頷くだけで何も云う必要はありませんから。本当に理解してる気になってその様に振舞っている人もそう、恋をすると誰もが役者になってしまうもの。そしてその情念の蝋燭が燃え尽きてから「あの頃は若かったから」と色褪せた思い出のラベルを力任せに引き剥がして本棚の隅へと仕舞い込んで忘れてしまうのです。だとしたら穏やかな日々を間に挟みながらも心乱されていたいと思うのはやはり若さの所為でしょうか?