こっそり内側で緒を結ぶから内緒にしておいて

赤い舌の先から心が結ばれていって融通の利かない尻尾でもって二つの身体を結んでる頃には自分が誰だとかもうどうでもいいくらい温もりに溶け込んでしまってる。そうやって僕らは日々押し寄せる孤独や不安を眠らせているんだ。朝目が覚めるとシーツの上で独り鎌首をもたげているのはおぼろげな夢で君の体温を思い出したから。でもそれもこれも全部内緒。そしていつも通りの笑顔の君に僕は視線を外したままで挨拶をした。